太陽発電

2010年10月8日金曜日

Miles Davis


Miles Davisを語ることはとても難しい。そもそも私はジャズに関してはきちんと体系的に聴いたことがない。モンクやドルフィー、バド、コールマン、そしてコルトレーンやブレイキーというところをまるでブッフェで好きなものだけを取るようにして聴いてきただけだ。そして、食べ物に関してはクサヤが苦手なだけで殆どの食物に「食わず嫌い」は無いが、こと、音楽に関しては実はかなりの食わず嫌いならぬ「聴かず嫌い」が存在していて現在にも至っている。例えばクラシックで言えば、長いことワーグナーとオペラが苦手だったが、最近はそれも克服した。また音楽のジャンルで言えば、今でもカントリーとかフォークというところは苦手である。アジアのミュージシャンも得意ではないし、そういえばもっとも苦手なのは日本の音楽で70年代の歌謡曲(Jポップになる前の・・・)や演歌、そして昔の軟弱なフォーク、アニソン、現在のアイドル系は殆ど聴くことがないし、申し訳ないがBGMで聞えてきても寒気がしてしまう。そんな程度の音楽ファンもどきなのである。

Miles Davisも長いこと「聴かず嫌い」(嫌いとは公言していなかったが・・・)であったが、モンクとの共演である伝説的アルバム「バグスグルーヴ」はちゃんと聴いたことがあるが、これはモンクを聴いていたのだし、共演のテイクは少ないから、Miles Davisに対しての誤解は払拭していなかった。しかし、レコード時代、一応ライブラリーには彼の名盤と言われている何枚かは持っていたが、多分、モンクのアルバムと一緒に大人買いしたものなので聴いていない作品ばかり。なんて勿体ない、というかMiles Davisへの冒涜である。このブログを書くようになって改めてジャズをきちんと整理して聴くことになって、やはりどうしてもマイルスを知らないと先に進めなくなってしまったのも事実。それで、何から聴こうかと悩んだ結果、この辺りと思ったのがこのアルバムである。そもそもMiles Davisはチャーリー・パーカーのバンドにいた。チャーリーといえばビバップの立役者である。彼はアルトサックスの地位向上も為し得たばかりでなく、数々のミュージシャンを育てたがその最高の弟子がMiles Davisだったと言って良い。Miles Davisは彼との出会いの後、すぐにジュリアード音楽院に入学している。そして、このアルバムは1948年に自身の九重奏団でニューヨークのジャズクラブに出演した。ここにはギル・エヴァンスも参加していたが、このセッションを中心にシングルレコード2枚を編集したのがこの「クールの誕生」である。このバンドしクールジャスと呼ばれ、その後もマイルスの代名詞にもなり、同時にニューヨークだけでなく、ロスの白人ミュージシャンにも影響を及ぼしていく。私が最初にこのアルバムを聴いたときの感想を率直に言うと、なんとも聴き入ることのできない楽曲なのだろうかと思ったが、実は、それはある意味でビバップからハードバップという中毒性や刺激の強いJazzに聴きなれていたせいなのかもしれない。しかし、驚いたことに、なんとこのマイルスのMusic音楽は、聴いている状態を特定しない音楽である。つまりはハードバップは聴き入る音楽で、ある程度のこちらの精神状態によっても音楽が変わってしまう、しかしMiles Davisは、聴きこんでいても、また、BGMで聴いていても、常に同じ音楽を提供してくれるのである。そこには、今までと違う、均整の取れたジャズ音楽が存在しているのである。

Miles Davisには名盤が沢山ある。但し、Miles Davisの音楽を自分の言葉で紹介するのはとても難しくブログの標題通り「語るなかれ」なのだが、モーツァルトやベートーヴェンに対してすら、勝手なことを言って来たので、Miles Davisにも自分のスタンスで挑戦したいと思う。

ルイ・マルが亡くなって15年経つのですね。『死刑台のエレベーター』と言えば、1958年製作のルイマル監督の映画。そしてマイルス・デイビス! しっとりとした情景で、ペットのソロによる音楽が使われるのはこの映画の影響です。
DMMでレンタルできるDVDを紹介しています。

タイトル: Miles Davis/フォア&モア

Miles Davisとソニーミュージック契約50周年記念企画デジパック(初回版のみ)再発シリーズ。「1969Miles Davis」
死後1年以上経過しても,多くの未発表録音が登場しているマイルスだが,なかでもこれはもっとも興味深い1枚といえる。60年代の末,アコースティックからエレクトリックへと移り変わる転換期ということもあり,終始テンションの高い演奏を展開する。演奏:マイルス・デイヴィス(tp)ウェイン・ショーター(ts,ss)チック・コリア(p)デイヴ・ホラン(b)ジャック・ディジョネット(ds)/録音:69.7(「CDジャーナル」データベースより)

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