太陽発電

2010年10月18日月曜日

George Martin The Beatles



クオリーメン氏借用のJohn Lennonジョン・レノン『マインド・ゲームス(アウト・テイクス/ホーム・レコーディング)』を聴きながら記す。
この未完成のアウト・テイクスを聴くと、アレンジの悪さで原曲の良さが台無しになっているのがよくわかる。
George Martinジョージ・マーティンは偉大だなあ。

ドイツのハンブルグに遠征し、クラブで住み込みの演奏をしてスキルを上げていく。そんな彼らに惚れ込んだ地元リバプールのレコード店主、ブライアン・エプスタインがマネージメントを買って出たことで、彼らはEMIとの契約を取り付けることに成功。そして、ドラマーがピート・ベストからリンゴ・スターに交代し、George Martinのプロデュースによる「ラブ・ミー・ドゥ」で1962年10月に記念すべきデビューを果たした。
USAのウェット・ワールド・レコードからのリリース。パリッシュ&ガーヴィッツは、スリー・マン・アーミー(TMA)休止中のポール・ガーヴィッツが、ギタリスト兼シンガー・ソング・ライターのブライアン・パリッシュ(この後バジャー)と結成したデュオ・ユニットで、本作は71年にUKリーガル・ゾノフォンからリリースされた唯一のアルバム(ファースト)「パリッシュ&ガーヴィッツ(ディスク2)」と、72年にセカンド・アルバムとしてレコーディングされながらオクラ入りとなった音源10曲(ディスク1)を収録した2枚組である。メンバーは、ファーストがブライアン・パリッシュ、ポール・ガーヴィッツ、マイク・ケリー(ex.スプーキー・トゥース,TMA)のトリオ編成、セカンドはファーストの3人に新たにミッキー・ギャラガー、リック・ウィリス (ex.デイヴ・ギルモア)を加えた5人編成で、プロデュースは2作品ともジョージ・マーティン。
ファーストは、全編に渡ってキャッチーでアコースティックな響きのフォーキー・ブルース・ロックを展開しており、美しいハーモニー・コーラスもハマっていて心地好い。いかにもブリティッシュ的なくぐもり感と暗さがあり、George Martinマーティンのストリングスもまろやかだし、嫌味のないキャッチーさとアメリカへの憧憬的スワンプ色もある好盤である。
セカンドは、概ねファーストと同路線なのだが、キャッチーさはそのままに全体に少しレイドバック感が強くなっていて、明る過ぎず暗過ぎずで聴きやすい。この後パリッシュがバジャーでも再演する「ザ・プリーチャー」を始めとして、ブルージー&スワンピーな佳曲が多く、素直に心地好い好盤である。この後、ガーヴィッツは再編ベーカー・ガーヴィッツ・アーミーへ、パリッシュはソロ・アルバムを1枚リリースした後にバジャーへ。ケリーはスプーキー・トゥースへ出戻る。


さてさて、お題は片瀬クンではなく「ホワイト・アルバム」9枚組ブートのお話のつづきで御座居ます。あたくしが最も多く購入したThe Beatlesビートルズの海賊盤は「ゲバ」こと「THE GET BACK SESSIONS」関連ですけど、其れは物量的に膨大だったからでありまして、まぁハマれば「底なしの地獄沼」で其れ也に楽しめますが、出来れば陥らない方が好い領域だと思います。以前も書いたと思いますけど、あたくしは「ゲバ」のロールを買い集めていた頃に、某有名レコ屋の店員サンに「お客さん、こんなもんまで全部集めてるんですか?聴いてて面白いですか?」と真顔でレジで云われた事があります。ま、つまんなかったら買わないわけだが、、、。

そんな「暗黒のゲバ」に比べれば、「ホワイト・アルバム」のブートは好いですよっ。たぶん「ゲバ」の次に投資額が大きいのは「ホワイト・アルバム」だと思います。音源が沢山遺っているって事もあるのですけど、あたくしの場合、所謂ひとつの「ミックス違い」にハマったのも「ホワイト・アルバム」のモノ盤を聴いたからだったし、何よりも「ホワイト・アルバム」が好きなんですよね。来週にリマスターが出る「赤盤」と「青盤」でビートルズを知ったあたくしにとって、オリジナル・アルバムで衝撃的だったのは「REVOLVER」と「THE BEATLES」でした。よーするに、「赤盤」と「青盤」には其の二作からの選曲が極端に少ないのです。「REVOLVER」からはシングル2曲のみで、二枚組の「THE BEATLES」からは3曲のみ!なのですよ。

THE BEATLES」と題された通称「ホワイト・アルバム」は、ビートルズの崩壊を記録したアルバムです。翌年に「THE GET BACK SESSIONS」と「ABBEY ROAD」が在りますが、バンドがぶち壊れてゆく様を音盤に記したのは「ホワイト・アルバム」です。最初はジョージ宅で仲良くデモを制作していて、実際にインドで書いた曲はほとんどがアルバムに採用されるのですけど、レコーディングに入ると激しい軋轢が生じます。アルバム冒頭を飾る二曲でドラムを叩いているのはリンゴではなくPaul McCartneyポールで、其れはリンゴが脱退してしまったから起きたのでした。

最終的な曲順は、John LennonジョンとPaul McCartneyポールが24時間も掛けて吟味した結果だったので、冒頭にリンゴ抜きの二曲を配置したのも、最後にリンゴしか参加していない曲を持って来たのも、全部「意図的」な仕掛けなのです。バラバラの様に見せ掛けて、タイトルは「THE BEATLES」、ジャケットは真っ白。解散なんて考えてはいなかったでしょうけど、明らかに彼等は「再出発」を望んでいたのでしょう。ビートルズの作品は全て好きですけど、一番惹かれるのは「ホワイト・アルバム」から「ゲバ」へ向かった1968年の夏から1969年の冬までの半年間です。特に「ホワイト・アルバム」は、鬼気迫る狂気があります。

こうして総括したブート音源を聴いても、謎は深まるばかりなのです。セッションは混沌を極めていたしGeorge Martinジョージ・マーティンは投げ出し「壱枚にまとめなさい」って苦言を呈したのに、John LennonジョンとPaul McCartneyポールは二枚組にしちゃったのよさ。滅茶苦茶になったモンを、其のハチャメチャな部分を残しつつも「THE BEATLES」にしてしまったのです。世界の頂点に立ったからこそ、こんなモンを出せたのです。でも、やりたい放題の様で「計算」もしてるのよさ。深いナァ。あたくしなら、此れで解散しちゃうけどね。そうしなかったのも、やっぱ、凄いです。正に、至上の名盤です。「THE BEATLES」との看板に、偽り無し。

でさ、前半の山場はセッション初日の「REVOLUTION SESSION」なのですよ。いえね、単体ブートでも買って知っている音源なんだけどさ、後に「REVOLUTION 1」と「REVOLUTION 9」になった歴史的なセッションですよ。そりゃ、もう凄いのですよ。延々と収録されていても聴き応え充分なんです。でもですね、、、もう絶対に、此れだけは譲れませんっ。

「小野洋子、黙れっ!」

えっとですね、折角のお宝音源にヨーコさんの実況解説が御丁寧に被されているので御座居ます。本当に申し訳ないのですけど、アンタの解説、イラナイから。マジで邪魔です。ホント、Paul McCartneyポールとジョージとリンゴは、よく耐えましたね。其れだけで、エラいよ。人間が出来てます。

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